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Reiko News



 ■ママのひとりごと 2008年8月20日号


親に死なれて はじめて −父の初盆に−

 昨年末91歳で亡くなった父の初盆を迎えた。
迎え火を焚き送り火で送ったが、父はまだ家に居ると私は思っている。
「お骨」がまだ父の部屋にあるからである。
「半年か一年は置いておけ」と言う遺言だった。早々と納骨するのは気が引ける。
と言うより、「父が望んだ一番長い一年」よりは長く置いてあげたいと思う。

 お盆のさなか、中央区谷町4丁目のお寺さんの玄関で見つけた言葉にはっとした。
                   「親に死なれて はじめて 親に出会う こともある」

 時々ふいに、何気に胸に、脳裏に浮かんでくる在りし日の父の姿。
白い小さな頭も、曲がった背中も、素敵な帽子もマホガニーのステッキもなつかしい。
一年前はまだまだ元気で、毎日のように門真駅の近くで一緒にランチを食べてから、タクシーに乗って
カラオケに通っていた。  心臓が悪かったので、タクシーまで付いて行こうとすると「ここで良い!」と、
エスカレーターで強引に別れた父。  私はそのままエスカレーターで二階に登り、ガラスの通路から、
タクシーの父をこっそり見送ってから京阪電車に乗った。

 先に逝った母が一度だけ夢に現れて、声をかけて抱きしめたが質感がなかった、と語った父。
今、父を思う時質感の無さを実感する。  あれほど見た父の背中がもう見えない。
どこにもない・・・
どんな気持ちで母の話をしたのだろうか?と思う。
わしはこの世でも幸せだし、あの世では母さんが待ってくれているからあの世も楽しみだと言っていた。
本当に母のもとへ行ってしまった。 骨だけ残して。
死なれてはじめてきちんと向き合える、それが親と言うものかもしれない。

 高校野球も北京オリムピックも感動的だった。
細かく書けばきりがない。オリムピックに出てくるような人は私とは違う。
血のにじむような厳しいトレーニングを何年も続けてきた人たち。
勝っても負けてもそこには感動が横たわる。 勇気と反省を受け取った。 がんばります。よろしく!

麗子


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