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Reiko News



 ■ママのひとりごと 2007年9月20日号


「アオウミガメのジェーン」
−ハンディが生んだ海のロマン−

 屋久島にアカウミガメが産卵のため上陸することはよく知られている。
が、30年前の7月10日に一匹のアオウミガメが初めて産卵に訪れたという。
屋久島はアオウミガメにとっては生息条件の最北端に位置するらしい。

 30年前、なぜそのアオウミガメが現れたのかは定かではないが、それから産卵期の3年ごとにそのアオウミガメは現れるようになったという。
ジェーンと名付けられたアオウミガメは来た時から右の脚が何かに食いちぎられたように、極端に小さかった。 産卵のためにウミガメは両足で50センチ以上もの穴を掘らなければならない。 ジェーンは不自由な脚で必死に穴を掘る。
初めて上陸した日、ジェーンは右側の穴をきちんと掘ることができず、産卵を諦めて海へ帰って行った。 次の日に再び現れたジェーンは長い時間を掘り続け、やっと産卵した。 一度に200個もの卵を産む。 しかし孵化しても成長できるのはほんのわずかだ。

 30年目の今年、ジェーンは現れなかった。
その代わりハンディのない一匹のアオウミガメが産卵のために上陸した。 
アオウミガメの子は30年で産卵のため浜に戻ってくるという。 さすればそのアオウミガメはジェーンの最初の子ではないかという。壮大な海のロマンである。

 産卵を終えて青い大海原をゆったりゆったり泳ぎながら消えてゆくジェーン。
どこへ行ったのだろう?アオウミガメの生態はほとんど知られていないらしい。
脚にハンディを持つジェーンは他との競合を避け、一人最北の屋久島まで泳ぎ着いたのだろう。 そして30年。自分の子供が屋久島へ来る事を察して浜をゆずって去ったのだ、きっと。               

麗子


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