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Reiko News



 ■ママのひとりごと 2004年8月号

我は海の子

 ある日デパートで華やかな水着、浴衣、飾りつけの花火や浮き輪を見ていたら、目の前にパッと海が広がり、突然「我は海の子」という唱歌が脳内に響いた。
 “我は海の子白浪の さわぐいそべの松原に・・・”一番が終わり、二番に入った。“生れてしおに浴(ゆあみ)して 浪(なみ)を子守の歌と聞き・・・”続く。
最近はさっき言った言葉も忘れるのに、子どもの頃教わった歌詞はスルスルと出てくる。そして改めて昔の歌詞の美しさ、素晴らしさに胸を打たれた。
無駄なく、美しく情景の浮かぶ詩。 子ども言葉でない正統な日本語。でも小学唱歌なのである。
 海に生まれた子ではないけれど「潮に浴して」なんてまるで海の子のように実感できる。まさか、生まれたての赤子を潮水につけると誤解する子がいたとしても、振り返ればひとつのエピソードだ。
 誰か作家が「兎追いしかの山・・・」を長く「兎が美味しい」と思っていたと書いていたが、私など君が代の“さざれ石の 巌となりて・・・”を「さざえに似た石から岩音が鳴るなんて」訳のわからぬ解釈をしていたくらいだもの。
 先日、小学唱歌を見直すという記事を読んだ。素直にうれしい。誰にこのような美しい詞を、日本語を消し去る権利があるだろう。このような素晴らしい情緒に満ちた表現をなくす理由があるだろう。祭日で国民に媚びるより、醜い私腹を肥やすより、良い日本を守り残し、その上で新しいことができる指導者がもっともっと現れて欲しい。
「冬ソナ」ブームもむしろ外国ドラマの中に失われた日本を見ている気がする。


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